失われつつある技術とんとん葺き
とんとん葺きは、ビニール系の防水シートや、アスファルト系の防水シートが、主流になる前に
防水シートとして使われていた技術です。
薄く加工した木を屋根面に「トントン」音を鳴らして葺いていた事がとんとん葺きの由来のようです。
とんとん葺きは、日本の気候にマッチしていて、通気性がよく、湿気を吸ってくれて
とんとん板が腐るまで防水してくれる優れ物です。
しかし、非常に作業効率が悪い!当時とんとん葺き職人の方が言ってたが、
一日に葺ける範囲が、自分の手の届く範囲しか葺けないとの事、
そんな手間のかかる施工をしていたところに、ビニール系の防水シート「ハイトン」が発売されました。
とんとん葺きと比べると施工効率が格段に上がり、とんとん葺きが廃れていきました。
今では、とんとん板を製造してる会社は、日本で数社だけで、
関東地方で、とんとん板製造会社と取引のある会社は、弊社と数えられる程度の業者しかいません。
それだけこの技術が廃れてしまった事を表しています。
※弊社は、とんとん板及びコロシートを仕入れて、販売しますが、施工はしません。
おそらく、今とんとん葺きを施工する現場は、お寺くらいしか無いと思います。
建築に関わる方でも、とんとん葺きって何?って方も多いと思います。
ネットで、とんとん葺きと検索すると、瓦をめくったらとんとん葺きでした!
って出てくるけど、正確にはコロシート(とんとんに似て非なる物)だったり…
似てるので間違えやすいんですけどね。
この記事を投稿して、後世にもとんとん葺きの名前くらいは残せたらな、と思い書きました。
最後に、弊社の宝物で飾っている、当時とんとん葺きに使っていた金槌の写真を載せておきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。