【セキスイかわらU】 一世風靡した屋根材の末路

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セキスイかわらUの末路

【セキスイかわらU】セメントを瓦調に成型したスレート屋根材です。

焼き物の粘土瓦と比べ、軽量で見た目も良い事やカバー工法が出来る事で、爆発的に人気を博した屋根材です。

多くの方が勘違いしていますが、元々の製造・販売は積水化学工業株式会社が行っていた屋根材です。

1975年から販売された屋根材で、当時はアスベストの規制が無かったため、アスベストを含有させて製造されていました。

セキスイかわらUだけでなくコロニアルなども同じですが、アスベストが含まれているセメント屋根材は非常に強度が高く、需要がかなりありました。

しかし、アスベストは、人体への健康被害が発覚しアスベスト含有屋根材が淘汰され始めます。

積水化学工業株式会社は、いち早くアスベストを抜き1990年からアスベストフリーのセキスイかわらUを販売します。

セキスイかわらUを含めた、アスベストフリーの先駆けとなったスレート屋根材は、何かしらの問題を抱えていました。

【強度が全く無い】この一言に尽きるのですが、乗れば簡単に割れる、表面が剥離する、変退色が早いなど、メーカーの想定を大幅に下回る強度しか無く、アスベスト含有時代とかけ離れた製品になってしまいます。

アスベストを抜いた屋根材の知見が全く無かった事も原因ですが、如何にアスベストへの依存が大きかったかが伺えます。

これを期に人気屋根材だったセキスイかわらUの需要がどんどん下火になり積水化学工業株式会社は、2006年に屋根事業をグループ会社の積水屋根システム株式会社へ移します。

言ってしまえば、株主へ向けたパフォーマンスの様なもので、「積水グループ本体の経営は順調ですよ」と見せるために、積水屋根システムを設立し屋根事業を移した背景があるようです。

セキスイかわらUを積水屋根システムに移行した後も試行錯誤を繰り返し屋根事業を継続しますが、製品強度の問題改善ができず2013年廃番となります。

最終的には欠陥のレッテルを貼られたまま姿を消したセキスイかわらUですが、アスベストを抜いて以降、約20年間も販売を続けていました。

セキスイかわらU改修工事について

製品自体は廃番ですが、生産中に施工された屋根が今現在も残っているので、セキスイかわらUのリフォームに携わる事があります。

このセキスイかわらUですが、部分的な修理は不可能です。

また、ネットでは塗装が出来ないと憂いていますが、そもそもスレート屋根材への再塗装は全く意味がないので気にする必要がありません。

基本的に屋根全体の改修で葺き替え工事しか出来ない屋根材です。

カバー工法でセキスイかわらUが使われている場合は、コロニアルなどの彩色スレート瓦に被せているか、瓦棒葺きに被せて施工されています。

いずれにせよ、セキスイかわらUの撤去処分は必須になり、金属屋根材ガルバリウム鋼板に葺き替える工事が間違いない改修方法です。

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