【改修工事の工夫】壁際の隠れる場所にシーリングする理由


新築時:壁際の納まり

新築時の壁際役物の納まりは、屋根を先に納めてから外壁を着工し、屋根に使う役物の一部(立上がり部)が外壁内に納まります。
外壁の目地など屋根よりも高い位置から雨水が入った際に、屋根と外壁の取り合い部から雨水を排出出来る様に、この様な施工方法が採用されています。
屋根と外壁取り合い部の働き

【その施工、家をダメにしますよ】外壁塗装シーリング工事の注意点
改修工事:壁際の納まり

屋根改修工事の場合、外壁が出来上がっている状態で屋根工事を施工するため、新築時と同じ施工方法を採用する事は出来ません。
また、使用する役物も改修工事用の役物を使用します。
先に申し上げた通り、改修工事の場合は、外壁が出来上がっているので、壁際役物は、外壁に被せて納める方法が採用されます。
被せた壁際役物と外壁の取り合い部は、シーリング処理で納めます。
そのため、既存の壁際役物処理方法が非常に重要になる事に加え、改修用壁際役物を施工する際にも、万が一に備えた工夫が必要になります。
壁際役物の正しい処理方法
既存壁際役物の処理方法や新築時の壁際役物の納まり方など記載しています。
難しい内容ですが、是非、ご覧ください!

見えない場所にシーリングする理由

壁際役物と外壁の取り合い部の処理で使うシーリングは、露出しているため、直射日光や紫外線に晒され劣化しやすい環境に身を置きます。
劣化したシーリングは、ひび割れ等が発生し雨水の侵入を許してしまう可能性があります。
そのため、通常塗布する場所へのシーリングだけでは、長期間雨漏りしない屋根に仕上げるには不十分になります。
そこで必要になるのが、隠れる場所へのシーリング処理です。
隠れる場所へ塗布したシーリングは、露出しているシーリングと比べて、劣化速度が緩やかです。
万が一露出しているシーリングに劣化が見られても、隠れているシーリングはしっかりと生きています。
隠れているシーリングが万が一のバックアップになり、屋根面まで雨水が到達せずに、バックアップのシーリングに沿って雨水を排出してくれます。
お施主様から見えない場所でも工夫を凝らし、未来の経年劣化を見据えてバックアップを付帯した施工をする事で、長期間雨漏りしない優良な屋根に仕上がります!
※葺き替え工事やカバー工法工事問わず改修工事では同様の納め方をします。
※写真は立平葺きですが、横葺きでも同様です。
※シーリングの劣化具合は、建物の立地環境・日照条件等により変動します。
※究極の外装リフォームは、屋根工事・外壁工事を同時に葺き替える工事が究極の工事になります。
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